第22章

百鬼の咆哮が、まるで怒涛のように階上と階下から押し寄せ、無数の歪んだ影が闇の中で蠢いている。柳沢明日香は私の手を固く握り、その眼差しは揺るぎない。だが、彼女の体は陽炎のように揺らめき、ほとんど透き通りかけていた。今にも、この夜の闇に溶けて消えてしまいそうだ。

私たちは、すでに九十五階に到達していた。屋上までは、あとわずか五階を残すのみだ。

だがその時、ある恐ろしい疑念が、徐々に私の心に浮かび上がってきた——月の鬼の言う隠しエンディングとは、私たちへの恩恵などではなく、もっと巨大な悪意に満ちた陰謀なのだと。

「明日香、月の鬼はどうして、私たちに隠しエンディングのことを教えたんだと思...