第123章

――バンッ!

粗暴な音が響き、扉が蹴り開けられた。

入り口に寄りかかった入江宝夢は、侮蔑の色を隠そうともせずに鼻を鳴らす。

「うちの嫁になれただけでも幸運だと思いなさい。この私に向かってその態度は何? 鏡を見てご覧なさいよ。あんたが外で稼ぐはした金なんて、私のバッグ一つにもなりゃしないのよ。ここでふて腐れてないで、ちゃんと夫の世話をしなさい!」

言葉は次第にエスカレートしていく。

榎田神也は底知れぬ漆黒の瞳を一瞥させ、冷たく言い放った。

「今日は母さんの誕生日だ。興を削ぐような真似はしたくない」

「恩知らずなこと言わないでちょうだい。誰のために言ってると思ってるの?」入江宝夢の...

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