第126章

「だめです! 衣装の変更は、現場の環境とシナリオに合わせないと!」

 篠崎アエミは断固とした態度で首を横に振った。

「大丈夫です、これくらい平気ですから!」

「ゴホッ、ゴホッ……」

 言い終わるや否や、激しい咳が彼女を襲う。

 林田涼子が慌てて水を差し出した。

「もう……あんたってば、頭の中どうなってんのよ! 慰謝料目当てで離婚したいなら、もっとふんだくればいいじゃない。どうしてそんなに意地を張るの!」

「あなたには分からないわ」

 篠崎アエミは意味深長にそう呟いた。

 撮影開始の合図がかかり、向こうで監督が呼んでいる。

 二人は慌ててテントを飛び出したが、目の前の光景に...

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