第85章

ライブ配信のコメント欄は、一触即発のピリピリとした空気に包まれていた。

双方のファンによる舌戦が、またしても勃発しているのだ。

当の篠崎アエミはその事実に全く気づいていない。一方、榎田神也の視線はライブ配信の画面と篠崎アエミの間を行き来していた。

彼は唇をわずかに動かし、何かを言いかけようとする。

その時、鈴木芽衣が彼の腕に手を回した。彼女はつま先立ちをして耳元に顔を寄せ、何かを囁きかける。

その瞬間を、カメラは見逃さなかった。

『キャーーッ! 誰か共感して、尊すぎる! 二人の内緒話とか、完全にカップルの睦言じゃん!』

コメントの流れをずっと監視していた林田涼子。

彼女の堪忍...

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