第93章

梅原大樹は言葉を失った。

「……」

演出と服作り、それは似て非なるもののようだ。

篠崎アエミはからりと笑った。

「もう、彼の戯言なんて気にしないで。さあ、出発しましょう!」

車で来ていたため、荷物を積み込むとすぐにその場を後にした。

ライブ配信が終了してから、わずか一時間足らず。

実に迅速な撤収だった。

バルコニーでは、榎田神也が遠ざかっていく車をじっと見下ろしていた。その表情は、陰鬱に沈んでいる。

コンコンコン。

扉が叩かれる。

鈴木芽衣が涙目で歩み寄ってきた。

「どうすればいいの? ネットユーザーのみんなが私を罵倒してるのよ。芸能界から消え失せろって! これじゃも...

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