第79章

葉田知世の二万字に及ぶ始末書は、結局書き終えることなく、彼女は眠りに落ちてしまった。いつ藤原羽里に抱えられて部屋に戻されたのかも、全く覚えていない。

何日も会えなかったせいか、藤原羽里は彼女を恋しく思っていた。しかし、これほどまでに気持ちよさそうに眠っているのを見るのは初めてで、起こすのが忍びなくなり、半ば抱きかかえるようにしてネグリジェに着替えさせ、布団の中にそっと滑り込ませた。

「この悪い子め。もう二度と怒らせるなよ」眠りにつく前、彼は葉田知世の耳たぶを軽く噛んだ。

葉田知世は夢うつつの中で、耳がくすぐったいのを感じ、思わず身を縮めて藤原羽里の胸の中に潜り込んだ。

翌朝早く、藤原...

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