第82章

「平原青、飲み過ぎだぞ、馬鹿なこと言うな!」田村健が慌てて平原青の脇腹を肘で突いた。

平原青は、葉田知世の顔が瞬く間に青ざめるのを見て、自分も失言だったと気づいた。

「葉……」彼が何か言いかけたが、葉田知世は手を振ってそれを遮った。

「ええ、体を売って手に入れた成果だもの、維持しなくては」葉田知世の、澄んだ水面のような瞳が、ふっと翳りを帯びた。

藤原羽里は心臓が跳ね上がり、彼女の手を掴もうとしたが、それも意図的に避けられてしまった。

「私のような人間が、お二人に謝っていただけるなんて、それだけで十分面目を立てていただいたようなものです。受け入れない資格など、もちろんありません」彼女...

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