第146話

薬の調整と体調確認のため、二人は再び病院を訪れた。

特筆すべきは、ベンジャミンの驚異的な回復力だ。医師によれば、彼の傷の治癒速度は常人の少なくとも二倍はあるという。そのため、傷口に負担をかけない限り、適度な運動は問題ないとの許可が下りた。

医師の保証を得て、マルティナもそれ以上口を挟むことはなかった。

二人は車に並んで座り、最初の目的地へと向かった。

本来なら、マルティナは「愛の南京錠」があるような場所には行きたくなかった。必要性を感じなかったからだ。それは単なる客寄せのギミックに過ぎず、実質的な意味などない。しかし、負傷をおしてまで行きたいと願うベンジャミンを前にしては、いくら気が進...

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