第148話

サイモンは、「お二人の仲が順調なら、私のことなど放っておいてくださればいいのです」と心の中で呟きながら、黙って二人の背中を追いかけた。

幸いなことに、それほど歩かないうちに、サイモンは道沿いに待機している数人の配送業者に気づいた。料金さえ支払えば、指定の場所まで荷物を届けてくれるサービスだ。ここを訪れる観光客にとっては、実にありがたい存在である。

まだ先は長いし、すべての荷物を持ち歩くのは不便だと判断したサイモンは、必要なものだけを選り分け、残りを配送サービスに託すことにした。もちろん、マルティナとベンジャミンの了承を得た上でのことだ。そうでなければ、彼とて勝手な真似をする度胸などない。

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