第151話

マルティナは認めざるを得なかった。目の前に立つこの男の情緒というものは、本当に予測がつかない。

心が彼に傾きかけた矢先に、ベンジャミンはどこからともなく突拍子もない行動に出るのだ。本当に驚かされてばかりで、誰にもその行動は読めない。

マルティナの唇が苛立ちで引きつった。彼女は躊躇なくベンジャミンの後頭部を叩いた。「何バカなこと言ってるのよ!」

まったく、どうしてまたこんな男に惹かれてしまったのか、マルティナは心底後悔した。なんという皮肉だろう!

何より、この男は……ああもう、どうすれば人の神経を逆なでできるか、よく分かっている!

毎回、そう、毎回だ。マルティナが彼への感情を改めようと...

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