第18話

彼女の手はどうしても震えを抑えきれなかった。

「だ、誰なの? 何が目的なの? 私有地への不法侵入が犯罪だって分かってる? 警察を呼ぶわよ!」彼女は声を震わせながらこう言い放った。

相手が怯えるか、あるいは何かしらの反応を示すだろうと彼女は思ったが、その人影は微動だにしなかった。

様子を見る限り、相手に悪意はないようだった。マルティナは勇気を振り絞り、ゆっくりとその人影へと歩み寄った。

彼女は依然として木の棒を強く握りしめ、いざとなれば武器として使う構えを崩さなかった。

近づくにつれ、ついにその人物の顔が露わになった。彼女の瞳孔は収縮し、手にしていた棒が地面に転がり落ちる。彼女の眉間に...

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