第36話

ベンジャミンは一歩一歩まっすぐに歩み寄り、箱の中身を確かめようと頭を下げた。そこにあったのは、細かく破られた紙片の山だった。しかも、それらは色とりどりだった。

ベンジャミンは深く考えなかったが、その鋭い眼差しは決して穏やかとは言えなかった。

彼はズキズキと腫れたこめかみを揉みながら、これがマルティナの仕業に違いないと悟った。その瞬間、別の考えが脳裏をよぎった。

そして、箱から紙片を一枚ずつ取り出し、しげしげと眺めた。

驚いたことに、それらを目にした途端、ようやく胸の奥に抑え込んでいた感情が再び湧き上がってきたのだ!

これは一体何だ?

なぜこれほど多くの肖像画の破片がここにあるのか?

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