第60話

ベンジャミンには、一体何が起きたのか皆目見当がつかなかった。自分は何もしていないはずなのに、なぜマルティナの自分に対する関心や態度が、これほどまでに一変してしまったのだろうか。

午後の昼食の時間になると、ベンジャミンはほぼ時間通りに食事を届けにやって来た。

実を言うと、マルティナは空腹でたまらなかった。一日中何も口にしておらず、テーブルの上に置かれたチキンスープとお粥はすでに冷え切っていたため、手をつけなかったのだ。

今の彼女が感じていたのは、胃袋からの強烈な抗議だけであり、他のことはどうでもよかった。結局のところ、事態がどう転ぼうとも、結果は変わらないのだから。

新しいランチボックス...

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