125話

ただ一度のダンスで彼女を口説けるなんて甘い考えだったし、そもそも彼女には自分を彼に差し出す気など毛頭なかった。

だから、彼女はそれについて考え込むことはなかった。

そこへエマが興奮した様子で近づき、リースを褒めずにはいられなかった。「リース、あなたのダンス素晴らしかったわ。フリンさんとあなた、完璧に見えたわ。でも、そういえば、フリンさんって前は麻痺していたんじゃなかった?どうして急に立てるようになったの?」

リースは何気なく答えた。「治ったんじゃない?」

「どの名医が治したのかしら。フリン家は多くの専門医に相談したけど無駄だったって聞いたのに、今は突然良くなっているなんて」

「私のラッキーデー...