36話

リースの目は奇妙な感情を宿して揺らめいた。前回マックと一緒にいた時、彼女はマルコムが仕方なく自分に付き合っているだけだと思っていた。しかし今、彼の家で、お気に入りの妹の前で、彼は演技をする必要などなかった。

彼女はいつも、この世界に頼れるものなど何もないと感じていた。あるとすれば、それは自分自身だけ。なのに今、突然誰かが彼女のために立ち上がり、彼女はバランスを崩してしまった。

正直なところ、マルコムにこんなことをしてほしくなかった。人は依存しがちになる。彼がこれを続けて、ある日突然やめたら、彼女は打ちのめされるだろう。

一度の心の傷で十分だった。

エヴァリーはマルコムがリースを全力で...