397話

リースは書斎のドアを開け、マルコムが机に座り、新しいコーヒーカップを傍らに置きながら書類に目を通している姿を見つけた。リースは諦めの気持ちを感じずにはいられなかった。マルコムは本当に仕事中毒だった。

しかし、ある意味でマルコムの性格はリースと驚くほど似ていた。彼女も以前は彼と同じで、特に何かを成し遂げようと決心したときはそうだった。たとえ眠らずに何日も夜を徹して働くことになっても、リースはやり遂げるだろう。

彼らが夫婦になったのも不思議ではない。「志を同じくする者だけが共に旅できる」という言葉を裏付けているようだった。

背後に誰かの気配を感じ、マルコムはそれが誰か正確に分かっていた。彼は...