580話

マルコムの目には危険な輝きがあり、彼の視線を真っ直ぐに受け止めることは誰にとっても難しかった。ソフィアはマルコムの冷たいオーラを感じ取り、近づく勇気が出なかった。

アレクサンダーもマルコムから発せられる強烈なエネルギーを感じていた。

確かに、マルコムは業界の大物であり、フリン家の後継者としての評判に恥じない存在だった。彼の周りにいるだけで人々は震え上がってしまうほどだ。

今、彼はソフィアに望みをかけるしかなかった。少なくともマルコムは彼らに対して罪悪感を抱いているはずだし、噂によるとソフィアはリースと何らかの繋がりがあるという。

マルコムが自分のことを気にかけなくても、リースのことなら...