604話

「彼氏と一緒に病室に入れるわよ」とマルコムは、すでにベッドに横たわっているセバスチャンのいる部屋の方を顎でしゃくった。

アリッサは今日セバスチャンが自分のために命を危険にさらしたことを思い返した。

彼女はマルコムとリースに向き直り、「マルコム、リース、二人は帰った方がいいわ。私はここに残ってセバスチャンの看病をするから」

マルコムは肩をすくめた。「そうだな、あいつはお前のために怪我したんだ。お前が付き添って面倒を見るべきだろう」

リースはマルコムの肩を軽く叩いた。「私、先に着替えてくるわ」

「了解」マルコムは頷いた。

リースが更衣室に向かおうとした時、彼女は視界の端に人影を捉えた。...