74話

マルコムは実際、彼女の激しさに魅力を感じていた。彼女は誰に対しても恐れることなく立ち向かった。まるで「恐怖」という言葉がリースの辞書には存在しないかのようだった。

しかし、マルコム自身も決して押しつぶされるタイプではなかった。他人を扱う時、彼は見事だった。足が完全に回復していなくても、小競り合いではリースは彼の相手にならなかった。

認めざるを得なかったが、その少女は彼とほぼ同じくらいの腕前を持っていた。しかし彼には男性としての優位性があった。そしてリースは、どれだけ強がっても、まだ恋を知らない無垢な少女に過ぎず、彼の魅力に耐えられないだろう。

マルコムは単に彼女を抱きしめていただけではな...