第7章

三上海里視点

役員たちは、自分たちの社長のあんな恐ろしい一面を一度も見たことがなかった。彼らは慌てて書類をかき集め、まるで災害から逃げ出すかのように部屋を飛び出していった。

すぐに、会議室には俺たち二人だけが残された。

西園寺律崎が会議テーブルを回り込み、一歩、また一歩と俺に近づいてくる。その足音は、まるで死神の接近を告げるかのようだった。後ずさりしたかったが、足に力が入らず、まったく動けない。

「三秒やる。俺の視界から消えろ」

だが、このまま引き下がるわけにはいかない!あいつにやすやすと結城凪紗を渡してたまるか!

「ハッ!西園寺律崎も大したことないな、金目当ての雌犬に...

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