第5章

今夜は映像城で最も重要な社交イベントの一つ、総合メディア愛心祭典が開催される。和也と里奈も業界の「ゴールデンカップル」という新たな地位を満喫しに、間違いなく出席しているはずだ。

そして私は、藤原悟の腕にエスコートされて、そこにいるのだ。

麗子がデザインしてくれた特注のシルバーのドレスは、新しく作り上げられた私の体の曲線に完璧にフィットしていた。春樹は「君の変身を祝わないとね」と、シャンパンを一杯だけ特別に許可してくれた。

だが、本当に私を緊張させたのは、悟の反応だった。

彼が私を見た瞬間、時が止まったかのようだった。

悟はカフスボタンを直しているところだったが、足音に...

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