禁忌の恋

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蛙坂下道 · 連載中 · 115.0k 文字

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紹介

葉山天は一流の暗殺者だった。戦乱の中、暗殺者にとって最高の栄誉とされる極秘任務に就いていた。しかし、その重要な任務の最中、実家からの一本の電話を受ける。父が謎めいた状況で亡くなったというのだ。その死の背後には、巨大な秘密が潜んでいた。

急いで帰郷し、父の死の真相を追う中で、葉山天は思いもよらない障壁に直面する。それは、今や「義母」と呼ばなければならない魅惑的な女性の存在だった。

若く、艶やかで、官能的なその義母は、父の不自然な死と何か関係があるのだろうか。彼女との誤解に満ちた関係の中で、葉山天はどの道を選ぶべきなのか。その選択は、彼に深い思索を迫るのだった。

チャプター 1

機内から葉山天が降りてきた。

空港を出て、葉山天は鞄を持ち、タクシーを拾った。彼は運転手に、お父さんが埋葬された墓地への直行を指示した。一週間前、お父さんの危篤の知らせを受けていた。その時、彼はアマゾンのジャングルで麻薬王の暗殺任務を遂行していた。葉山天は、いかに難易度の高い任務でも、これまで一度も失敗したことはなかった。

しかし、今回初めて任務を放棄し、急いで帰国し、お父さんの最後の姿を見たいと思った。だが、残念ながら遅すぎた。知らせを受けた翌日、お父さんは重傷が悪化し、救命できずに亡くなったのだ。

墓地に着くと、葉山天はタクシー代を支払い、鞄を持って山を登り、お父さんの墓碑を見つけた。

葉山天は荷物を開け、事前に用意していた供物を取り出した。お父さんの墓前で全ての供物を焼いた後、白菊の花束を手向け、地面にひざまずいて泣き出した。「父さん、ごめん。遅すぎた!」

悲しみのあと、葉山天はお父さんの死に不可解な点があると感じた。なぜ、突然転落したのか。彼は、お父さんが自殺するはずがないと信じていた。

「父さん、安心して。必ず真相を突き止めてみせる!」

葉山天は墓碑のお父さんの写真を見つめ、長い間動かずにいたが、やがて冷たい表情で墓地を後にした。

葉山天は、お父さんが働いていた病院に向かい、何か内情を探ろうとした。

7、8年前に一度来たことのある病院は、すっかり様変わりしていた。案内台に近づくと、ピンクの看護師服を着た若い看護師が葉山天を目で追いかけ、心の中で「かっこいい!」と思った。

「こんにちは、高橋玲子先生はどの階にいらっしゃいますか?」葉山天は看護師の顔を見ながら尋ねたが、すぐに彼女の看護師服の下の豊かな胸に目を奪われた。若い看護師は18、19歳といったところで、可愛らしい顔立ちをしていた。

「高橋玲子教授ですか?教授の研究室は8階です。エレベーターを降りて左に曲がり、一番奥の部屋です!」若い看護師は、葉山天が自分の胸元を見つめているのに気づき、赤面しながら答えた。

「ありがとうございます!」

葉山天はお礼を言い、エレベーターで8階へ向かってみたら、ここが病棟だと分かった。研究室のドアの前に立つと、中は開いており、20歳くらいの女性研修医が机に伏せて診療記録を書いていた。書いたり止まったり、時々眉をひそめる様子から、研修医であることがわかった。

「こんにちは、高橋玲子先生はいらっしゃいますか?」葉山天はノックしながら尋ねた。

診療記録に集中していた女性研修医は、突然の声に驚いた。怒鳴り返そうとしたが、顔を上げると、息をのむほど美しい男性が立っていたため、怒りは一瞬で消え、微笑んだ。「高橋医長は今日お休みですよ」

葉山天は、かつて高橋おばさんが主治医だったことを思い出した。今では医長に昇進していたのだ。

「では、高橋玲子先生の連絡先を教えていただけませんか?どうしても急用があるんです。お願いします!」

女性研修医は少し躊躇したが、結局承諾した。ただし、自分が教えたことは言わないよう釘を刺した。葉山天は胸に手を当てて約束し、高橋おばさんの連絡先を手に入れて立ち去ろうとした。その時、廊下から悲鳴が聞こえた。

振り返ると、超セクシーな看護師が中年の男に抱き寄せられ、果物ナイフを喉に突き付けられていた。中年の男は興奮した様子で叫んだ。「院長を呼べ!すぐに院長を呼んでこい。さもないとこの女を殺すぞ!」

看護師たちは恐怖で青ざめ、動けずにいた。年配の看護師が諭した。「なぜ看護師をいじめるのですか?何か問題があれば、上司に伝えますから」

中年の男は嘲笑した。「上司だって?告発状を何度書いたと思う。いつも無視されるだけだ。上司に会いたいのに、会う機会すらない。誰も傷つけるつもりはない。リーダーを連れてこいと言っているだけだ!」

葉山天は心の中でため息をついた。追い詰められた哀れな男だ。だが、看護師を人質にするのは間違っていた。

彼は中年の男の背後に忍び寄った。看護師たちは息を呑んだ。

中年の男は何かに気付いたようだが、葉山天の顔を見る前に、手刀で首を打たれ、即座に意識を失った。ナイフは音を立てて床に落ちた。人質の色っぽい看護師は何が起きたのか分からず、がくぞろいに葉山天の方へ倒れ込んだ。葉山天は素早く腕を伸ばし、彼女を抱きかかえた。

その瞬間、葉山天は自分の手が柔らかく弾力のある部分に触れていることに気づいた。手感は良く、指でそっと摘んでみた。

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