第30章 本当の交渉

夜の10時過ぎ、高橋玲はダークウェブにログインした。渡辺直哉へメッセージを送る。

【A】 「よくやったな!」

渡辺直哉はほぼ一日中パソコンの前で待機していたため、メッセージが来るとほぼ即レスだった。

【a】「ボスの事は私の事よ。玉のペンダントはもう発送済みで、ボスは受け取りを確認して」

【a】 「ボス、これが当時の誘拐事件の資料だ。送った」

【a】 「それから、その玉のペンダントはあるコレクターが持ってたんだ。会いに行ったらね、驚いたよ。あいつのコレクションはほぼ全部が盗品だった。このずる賢い老狐め、どうしても売りたくないって頑なだったんで、脅しと甘言を尽くしたよ」

【a】 「で...

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