第37章

「ピンポーン」

机の上のスマホが突然鳴り、高橋玲がLINEを開くと、新しい友達リクエストが届いていた。

「初めまして、高橋グループ人事部の水原未海と申します。夏川秘書からご連絡するよう言われまして」

高橋玲は先ほど見ていた名簿を思い出した。

確かに水原という姓の人事がいたはずだ。彼女は相手のファイルを取り出してみた。

会社に九年も勤めているのか。悪くない、ベテラン社員だな。

高橋玲は指先でタップして承認すると、相手はすぐにメッセージを送ってきた。

【水原未海】「専務、はじめまして。人事部の水原未海です。専務が会社の経営に携わってくださるとのこと、社員一同光栄に存じます。お名前は...

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