第109章

デイジー視点

レイチェルおば様の隣に座り、私はテーブルの下でそっと自分の指を握りしめた。

私の瞳は、勝利の輝きに満ちていた。

これほど大勢の前で、レイチェルおば様が私を未来のスターリング家の花嫁として公に認めてくださったのは、これが初めてだった。

わかっていた――長年にわたる計算ずくの努力と、おば様に取り入るための献身は、無駄ではなかったのだ。

たとえリドリーに嫌われていても、レイチェルおば様が味方でいてくだされば、私はいつか必ずスターリング家の女主人になれる……。

「反対だ」

その男の氷のような声が、私の幻想を打ち砕いた。

私は顔を上げた。リドリーの口から発せられた言葉が、信...

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