チャプター 169

シダー視点

私は怒りにまかせて涙を拭ったが、次から次へと溢れてくる。「あなたが私を突き放すとき、どれだけ傷つくか分かってるの? 私の心をときめかせておいて、今になって逃げ出すつもり? 私を守っているつもりかもしれないけど、あなたがしているのは、あなたに決める権利のない選択よ」

リドリーは私を見つめていた。その顔には葛藤がはっきりと見て取れた。ゆっくりと、彼が私に向かって手を伸ばす。私は一歩近づいてその手を取り、自分の濡れた頬に押し当てた。

「もう、私を突き放させないから」私は言った。声は先ほどよりも落ち着いていた。「私たちに残された時間がどれくらいでも――たとえ数年でも、数ヶ月でも――...

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