第2章

エヴァンジェリン視点

「一体どこに消えたのよ?」

 私は寝間着姿でベッドの端に腰かけ、その箱を強く握りしめていた。

 サデウスはドアのところで凍りついた。ワークブーツが片足、中途半端に脱げかかっている。廊下の明かりが彼の周囲に不気味な影を落とし、結婚して四年の夫がまるで赤の他人のように見えた。

「勘弁してくれよ、エヴァンジェリン。心臓が止まるかと思ったぜ」彼は重い音を立ててブーツを蹴り脱ぐと、不機嫌そうに言った。「何の話だ?」

 私はその箱を彼に突きつけた。怒りと屈辱で手が震えている。

「コンドーム十二個よ、サデウス。十二個入り。私たち、もう二年もしご無沙汰なのに、一体どこに消え失せたっていうの?」

 一瞬、彼の顔に焦りが走った。だがそれはすぐに消え、見下すような高笑いに変わった。その勝ち誇ったような笑みに、箱を投げつけてやりたくなった。

「冗談だろ?」彼はワークシャツを脱ぎ捨て、洗濯カゴに向かって投げたが、大きく外した。「工場の連中にジョークとして配ったんだよ。あいつら、避妊についていつもからかい合ってるのを知ってるだろ」

 その場しのぎの嘘にすらなっていない。

 部屋を歩き回る彼を目で追いながら、私はそう思った。

「トラックにあった口紅はどうなの? タバコは?」

 彼の背中が強張ったが、振り返らない。「知るかよそんなこと。誰かの忘れ物だろ。連中の誰かが彼女を乗せたのかもしれないしな。乗ってくる人全員を尋問するわけじゃないんだから」

「あのタバコよ、サデウス。工場にあんな銘柄を吸う人はいないわ」

 彼は勢いよく振り返った。その表情は冷たく、私をまるで癇癪を起こした子供を見るような目つきだった。

「おい、エヴァンジェリン、頭がおかしくなったんじゃないか? 俺の持ち物を嗅ぎ回る暇があったら、息子の世話でもしてろよ」

 その言葉は不意打ちのように私を殴りつけた。「息子の世話」だと? 彼がこんな馬鹿げたことをしている間、すべてを切り盛りしているのは私ではないか。

「アイザックの世話なら、完璧にやってるわ」私は歯を食いしばって言い返した。「私が今やってるのはね、夫がどうして私の顔を見て平気で嘘をつけるのか、それを突き止めることよ」

 彼はベッドの自分の側に倒れ込んだ。スプリングが彼の体重できしむ。彼は疲れ切っているように見えた――だがそれは誠実な仕事の疲れではなく、罪悪感に蝕まれた疲れだ。

「いいか」彼は声を落とした。私を苛立たせる、あの作り物の冷静な声だ。「お前が何を勘繰ってるのか知らないが、大間違いだぞ。俺はこの家族を養うために必死で働いてるんだ。その見返りがこれか? 言いがかりと妄想かよ?」

 上手いものね。私は悟った。話をすり替えて、私の方がおかしいと思わせようとしている。

 だが、私はおかしくなんてない。ようやく、物事がはっきりと見えてきただけだ。

 翌朝、キッチンには爆発現場の静寂のような、重苦しい空気が漂っていた。

 アイザックはハイチェアに座って何かを喚きながら、スクランブルエッグをぷくぷくの頬に塗りたくっている。私は作り笑いを浮かべて、すべてがいつも通りであるかのように振る舞っていた。向かいに座ったサデウスは作業着姿でコーヒーをすすり、スマホを見ている。昨夜の心理的な攻撃など、まるでなかったことのようだ。

「金の話がある」彼は画面に目を釘付けにしたまま、不意に言った。

 私はオレンジジュースを口に運ぶ手を止めた。「金の話って?」

「工場の状況が厳しいんだ。レイオフだの、時間短縮だのでな」ようやく彼が顔を上げた。真剣そのものの表情――悪い知らせを告げる時の顔だ。「出費を削らなきゃならない」

「そう……」私は次の言葉を待った。

「お前に渡す生活費、月12万円にするから」

 手からグラスが滑り落ち、床で砕け散った。

「12万?」私は呆然と彼を見つめた。「最低限の生活費だけで、もう23万円はかかってるのよ」

「12万円だ」彼は繰り返すと、立ち上がってシャツの埃を払った。まるで大したことではないかのように。「今の俺たちに出せるのはそれだけだ」

 私はアイザックに目をやった。その大きな青い瞳が、こちらの様子をじっと見つめている。「住宅ローンが18万円。保険が4万5千円。光熱費が3万7千円。これには食費もガソリン代も含まれていないのよ。それなのに――」

「なら、贅沢な暮らしはやめて現実を見ろ」彼は冷たい口調で言い放った。「12万円ありゃ、大抵の連中は何とかやってるんだよ」

 大抵の連中、ね。

 まるで私が妻でもアイザックの母親でもなく、慈善事業で施しを受けている人間であるかのような言い草だ。

「誰もお前をこの家に縛り付けてるわけじゃないんだ」弁当用のクーラーボックスを手に取りながら、彼は続けた。「もっと金が欲しいなら、働けよ」

 キッチンは静まり返った。聞こえるのはアイザックの楽しげなおしゃべりと、耳の奥でドクドクと鳴る心臓の音だけ。仕事? 保育園はどうするの? 出産してから三年間、私は社会から離れているのに。

「誰がアイザックの面倒を見るの?」私は震えを抑え、怒りを滲ませて尋ねた。

 彼はドアへ向かいながら肩をすくめた。「自分で考えろ。賢い人間ならそうするもんだ」

 そうして彼は行ってしまった。残されたのはコーヒーの香りと、彼に逆らったことへの後悔にも似た鋭い痛みだけだった。

 私を罰しているつもりなのね。閉ざされたドアを見つめながら、私は思った。でも、そんなことなら私だってできる。

 アイザックがマグカップを放り投げ、壁に当たって乾いた音が響いた。

「お母さん、かなしい?」その幼い声が、胸に突き刺さる。

「ううん、違うのよ」散らかった床を片付けるために膝をつき、私は嘘をついた。「お母さんはね、計画を立ててるの」

 その日の夕方七時、私は恐怖とアドレナリンが入り混じった血をたぎらせながら、ミルフィールドのダウンタウンを車で流していた。アイザックはヘンダーソンさんに預けてある。「少し息抜きがしたくて」と彼女には言ったが、あながち嘘ではない。これから私は「女」についての勉強をしに行くのだから。

 バー「ローズ」はメイン通りと五番街の交差点にどっかりと構え、九月の夕闇の中でネオンサインを明滅させていた。サデウスはいつも、「職場の連中」が仕事終わりにあんな店でビールを飲んでいると愚痴をこぼしていたものだ。

 それが本当かどうか、今まで確かめようともしなかった自分が滑稽だ。

 私は通りの向かいに車を停め、入り口を凝視した。駐車場にはピックアップトラックやバイクが点在している――典型的な火曜の夜の客層だ。

 その時、見つけた。サデウスの黒いトラックが、大通りからは死角になる建物の脇に隠すように停められているのを。

 賢いつもりね。私は思った。でも、詰めが甘いわ。

 手の震えを抑えながら車を降り、影に紛れて通りを渡った。開け放たれた窓からはカントリーミュージックと笑い声が溢れ出し、タバコの煙と安ビールの淀んだ臭いが混じり合っている。「工場の残業」には似つかわしくない雰囲気だ。

 裏の駐車場に回り込み、私は凍りついた。トラックの運転席に、夫がいた。

 一人ではない。

 相手は若い女だった――二十代前半、プラチナブロンド、胸元の大きく開いたバー「ローズ」のTシャツを着ている。彼女の手は、まるで彼が自分の所有物であるかのように這い回っていた。

 二人は貪るように、必死にキスを交わしていた。彼女の指が彼の髪に絡まり、胸元へと滑り落ちる。彼もまた、彼女が世界のすべてであるかのように激しく応えていた。

 私が存在しないかのように。アイザックが存在しないかのように。

 これが彼の「残業」だったのね。

 熱い涙で視界が歪み、激しい怒りが沸き上がった。

 私は永遠にも感じる時間、そこに立ち尽くしていた。結婚生活が音を立てて崩れ去っていくのを目の当たりにしながら。彼が何かを囁くと、彼女は笑った。その姿はとても若く、屈託がない――私が母親になってから、彼と出会ってから失ってしまったものすべてを持っていた。

 二人は私に気づきもしない。自分たちだけの小さな世界に浸りきっている。

 私はよろめきながら車に戻り、自動操縦のように家へと車を走らせた。あの光景が脳内で何度も再生される。彼の髪に触れる彼女の手、彼の首筋に押し付けられる唇。ここ数年の私たちよりも、はるかに幸せそうな二人。

 家まであと三ブロックというところで、私は車を路肩に寄せた。嗚咽が喉を突き破って溢れ出した――生々しく、無様な泣き声と共に、長年の孤独、言い訳、そして自信のなさが解き放たれる。

 だが涙が乾くにつれ、もっと冷たい何かが心に根を下ろした。鋭く、計算高い感情が。

「ゲームがしたいのなら、サデウス」バックミラーに映る自分に向かって、私は囁いた。「相手になってあげるわ」

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