第20章

「いいから、御託は並べないで」

園田麻衣はその理屈など百も承知だと言わんばかりに、冷たく言い放った。

「確かに私は、この件を追及しないと約束したわ。でも、黒田大河が私の言うことを聞く保証なんてどこにもない」

園田タカシはニヤリと笑った。

「妹よ、お前もなかなかのワルよのう」

「この件に私は関与しない。立花柚月には手を出さないと約束したんだから、私は何もしないわ」

園田麻衣はサイドテーブルの水杯を手に取り、一口飲んだ。

その伏し目がちな横顔を見ながら、園田タカシは腹の中で毒づいた。

(したたかなアマだ。だが、頭は切れる)

「分かってるよ。汚れ仕事はこの兄貴が引き受けてやる」

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