第27章

湯川七海は呆れたように言った。

「何言ってんだよ。俺はお前のために言ってやってるんだぞ。今は覚えてないかもしれないが、三年前、お前と立花柚月がどれだけ仲が良かったか……あいつを庇って頭を割られたこと、忘れたのか?」

黒田大河の脳裏には、そんな記憶の欠片も残っていない。ただ煩わしいだけだった。

「いつの話だよ。そんなカビの生えた昔話、蒸し返して何になる?」

「本当にお前、きれいさっぱり忘れちまったんだな」

湯川七海は黒田大河の顔をじげじげと観察したが、そこには何の動揺も見られなかった。

どうやら本当に、立花柚月のことを完全に忘却しているようだ。

あの、骨の髄に刻み込まれるような恋...

ログインして続きを読む