第35章

「でも、このまま終わるなんて……やっぱり悔しいですよ」

ノゾミは知っている。彼女が最も輝いていたあの年を。

数え切れないほどのオファーと脚本が山のように届き、選ぶのに苦労するほどだった日々を。

そのすべてが、三年前のあの事故で灰燼に帰したのだ。

時々、ノゾミは思うことがある。

「あの時、先輩があいつを助けなければよかったのに」

そうすれば黒田大河はそのまま死んでいたかもしれない。三年もの植物状態になることも、目覚めた後の裏切りもなかったはずだ。

けれど、立花柚月は静かに言った。

「バカね。もしあなたの最愛の人が目の前で死にかけていたら、見て見ぬふりができる?」

「私は……」...

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