第43章

湯川七海は視線を落とし、ふと言葉を漏らした。

「この前の薬の件だが、あれは黒田大河が仕組んだことじゃない。あいつはただ、君に少し酒を飲ませたかっただけだ。薬を盛ったのは園田タカシの独断で、俺も大河も知らなかったんだ」

「だから何?」

「だから、あいつを恨むのは筋違いだと言いたい」

立花柚月は保温ボトルを抱きしめたまま、冷ややかに返した。

「ノゾミを連れ去ったのはあなたでしょう? それをネタに黒田大河が私を宴席に脅迫して呼び出した。薬を盛ったのがあなたたちだろうがなかろうが、何の違いがあるの?」

結局は同じ穴の狢(むじな)だ。

全員が共犯者なのだから。

湯川七海は言葉に詰まった...

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