第45章

立花柚月は家に帰って夕食を作り終えると、それを持って病院へと向かった。

病室では、立花紫苑が翔に物語を読み聞かせているところだった。柚月は一瞬迷ったが、結局、親戚が押しかけてきたことは言い出せなかった。

母に余計な心労をかけたくない。

どうせ彼らに泊まる場所などないのだ。二、三日も粘れば諦めて帰るだろう。

親子三人は、和やかに夕食を囲んだ。

その時、立花柚月のスマホに着信があった。

近所の住人からだ。

「立花ちゃん、早く戻ってきて! 家に泥棒が入ったみたい!」

立花柚月は弾かれたように立ち上がった。

「どうしたの?」

立花紫苑が尋ねる。

立花柚月は電話を切ると、平静を装...

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