第60章

「貸し借りの話をするなら、きっちり清算しましょうか」

立花柚月は、夢にも思わなかった。まさか自分が、こんな言葉を口にする日が来るなんて。

一体いつから、二人の感情は計算可能な負債になってしまったのだろう。

これを清算し終えれば、すべてを完全に終わらせることができるのだろうか。

彼女は鞄から一冊のノートを取り出した。それは白い日記帳で、使い込まれて古びていたが、そこには過去三年間の点滴のような日々が記されていた。

使った金の一円単位に至るまで、黒田大河を見舞うために病院へ通った回数に至るまで、立花柚月はすべてを記録していた。決して、黒田大河に借金を返してもらうためではない。

ただ、...

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