第5章

 剛の会社の昼休みは、たったの一時間だ。

 もし真由美が来ていたとしても、渋谷や新宿のホテルへ行くのは不可能だ。往復だけで時間が潰れてしまう。

 私はレンタカーのハイエースからビルの出入り口を見据え、後部座席に控える暴露系YouTuber『G先生』に告げた。

「ここで待機して」

 一刻の猶予もない。私は健治に電話をかけた。

 不貞の現場を押さえる前に、最後のパズルのピースを手に入れておく必要がある。

「里香ちゃん?」

 健治の声には警戒心が滲んでいた。

「もし真由美の悪口なら聞きたくないな。あの子は君を傷つけるようなことはしてないし」

 彼の擁護を無視し、単刀直入に切り込む...

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