第4章 勝利後の清算

戦闘が終わって三日後、銀月城はようやくかつての喧騒を取り戻していた。

ギルドホールは、勝利の美酒に酔う冒険者たちの熱気でむせ返るようだった。彼らはエールジョッキを片手に、先日の壮大な戦いの武勇伝を声を張り上げて語り合っている。

「聞いたか? あの赤石かおりって女、なんと数十匹もの魔物を指揮したらしいぞ!」

「信じられるかよ……俺たちが本当に、あの【厄災級】のスタンピードを退けたなんてな!」

その時、場違いなほど清らかな人影が、重い扉を押し開けて入ってきた。

コノミ!

彼女は真新しいローブに着替え、顔には再びあの『聖女』のような笑みを浮かべていた。数日前の屈辱など、まるで...

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