第8章 新しい時代の始まり

あの『銀月城の改革』が起きてから十年、世界はすっかり様変わりした。

私は新しく建てられた『平等の塔』の最上階に立ち、眼下に広がる生まれ変わった街を見下ろしていた。

至るところで、人と魔物が仲睦まじく共存する光景が広がっている——小さな火竜が人間の商人に協力して焼肉用の炉に火をつけ、土のエレメンタルたちが建築作業員を手伝って石材を運び、かつては凶悪と見なされていた影狼でさえ、今では子供たちの無邪気な遊び相手になっている。

「かおりさん、第三期冒険者学院の志願者数が、また過去最高を更新しました!」

小百合が分厚い申請書の束を抱え、喜び勇んで扉を開けて入ってきた。

十年の歳月は...

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