第8章

 高級ホテルの個室は煌々と明かりが灯され、高校の同窓会が熱気に包まれていた。

 私がドアを開けて入った瞬間、個室内の喧騒がぴたりと止んだ。誰もが振り返り、驚きに満ちた目で私を見つめる。

「桜井さん? 委員長?」

「どうして彼女が? 確か呼んでなかったはずだけど」

 ひそひそ声がすぐに上がり始める。私はそれらの声を無視し、視線をまっすぐ個室の中央に座る白石季穂へと向けた。

 季穂は私が現れるとは予想していなかったのだろう、顔に一瞬だけ狼狽の色が浮かんだが、すぐに平静を取り戻した。

「どうして同窓会に来る余裕があるの? 病院でおじさんの傍にいるべきじゃないかしら……」

 私は人混み...

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