第6章

爆発がC市の夜を切り裂いた。

山崎家の地下カジノは一瞬にして地獄絵図と化した。濃い煙の中、赤い警報ランプが狂ったように点滅する。客たちは悲鳴を上げて逃げ惑い、チップと割れたガラスがそこら中に飛び散った。

「くそっ!」

森田悠斗からの緊急電話に出た山崎達也の表情が、石のように冷たくなる。

「損害はいくらだ?」

「少なくとも三千万は。ボス」

電話の向こうで、森田悠斗の声にノイズが混じる。

「さらに悪いことに――今夜の配置が漏れています。十時に現金を動かすことは、内部の者しか知りませんでした」

山崎達也は固くハンドルを握りしめ、車を駆って夜の闇を突き進む。助手席に座る竹内...

ログインして続きを読む