第7章

山崎達也はヘッドボードに身を預けていた。左肩には包帯が巻かれていたが、その瞳はかつてないほど澄み切っていた。

竹内友奈はベッドの端に腰掛け、怪我に触れないよう気をつけながら、二人は固く手を握り合っていた。

「初めて本家に来た日のことを覚えている」

山崎達也は穏やかな声で言った。親指で友奈の手の甲を優しく撫でながら。

「俺と握手した時、君は冷静なふりをしていた。こいつはただ者じゃない、そう思ったよ」

友奈の目に涙が浮かんだ。

「そんなことまで、覚えていてくれたの?」

「それに、これも覚えている」

山崎達也は続けた。彼の眼差しはさらに熱を帯びていく。

「俺が眠っている...

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