第4章

  学校近くのカフェは満員だったが、私はどこか隅っこにでも隠れたかった。

 昨日のことが頭から離れない。陽翔のキス。彼を突き放したときの、あの表情。「ただの友達」なんて、何でもないことのように口にしてしまったこと。全部、私が台無しにしたんだ。

 コーヒーを手に取ると、窓際の席を見つけて腰を下ろし、宿題をするふりをした。でも、考えられるのは今日のことばかり。廊下で、陽翔がほとんど私を見ようとしなかったこと。背を向ける前に見せた、あの作り笑い。

 「あなたが、うちの息子が快方に向かうのを妨げているという娘さんね」

 顔を上げると、一人の女性が、まるでここが自分のものだとでもいうように、向...

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