私が瓦礫に押し潰された日、婚約者は全隊員を引き連れ、転んだと嘘をついた義妹の救助に向かった

私が瓦礫に押し潰された日、婚約者は全隊員を引き連れ、転んだと嘘をついた義妹の救助に向かった

渡り雨 · 完結 · 17.6k 文字

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紹介

私の婚約者は、救助隊の神話だった。彼が率いる任務で、失敗したことは一度もない。

しかし、私が瓦礫の下で腰の骨を折り、虫の息でいた時、彼は隊の精鋭全員を引き連れて、ただ擦り傷を負っただけの義理の妹を救いに行った。

彼は知らなかったのだ。義妹が危険な目に遭っていたというのは嘘で、彼を呼び出したのは、盛大なプロポーズのためだったということを。

彼女が太陽の下で彼の胸に飛び込み、周りが「お義姉さん!」と歓声を上げる中、私は冷たい瓦礫の中で、教え子を守るために最後の一滴の血まで流した。

後に、彼は狂ったように素手で瓦礫を掘り起こしたが、見つけたのは私が彼に送った、送信エラーになった最後のメッセージだけだった。

「もし来世があるなら、もうあなたとは会いたくない」

チャプター 1

 腰が梁に押し潰され、砕け散った。

 大量の失血で体温が急速に奪われていく。意識は混濁し、なぜ自分がこんな場所に挟まっているのかさえ忘れかけていた。

 確か、地震が起きたんだっけ?

「先生! 先生!」

「お願い、死なないで……僕たちが言うこと聞かないで、こっそりワラビ採りになんか来たから……」

 幼い泣き叫び声が、一条の光のように脳内の霧を切り裂いた。

 翔太と美羽だ。

 二人の子供が私のそばに跪き、小さな四本の手で必死に私を押さえつけている板や瓦礫を退かそうとしている。爪は鋭い木片で割れ、泥と鮮血が混じり合い、見るも無惨な状態だった。

「もう、いいの……」

 私は辛うじて口を開いた。喉の奥まで血の味が充満し、一言発するたびにカミソリを飲み込んでいるような激痛が走る。

「重すぎるわ……あなたたちじゃ、動かせない」

「動かせるよ! 絶対動かせるもん!」

 十歳の翔太が全身を震わせて泣いている。大粒の涙が私の顔にぼたぼたと落ちてきて、その熱さがひどく不快だった。

「シーッ……」

 私は引きつった笑みを浮かべ、彼らの頭を撫でようとしたが、指一本動かすことができなかった。

「あなたたちのせいじゃないわ。先生は平気よ、ただ……ちょっと疲れたから、眠りたいだけ」

 ズズズズズ……ドォォォォン――

 大地が再び震え始めた。

 余震だ。

 私を押し潰している梁が、耳障りな軋み声を上げる。埃がパラパラと降り注ぎ、視界を遮った。

 背中にいくつかの砕石が落ちてきた。もう痛みは感じないけれど、わかっている。ここはもう持たない。

 いつ二次崩落が起きてもおかしくない状況だ。

 このままここにいたら、私たち三人とも死ぬことになる。

「逃げなさい!」

 私は残った気力を振り絞り、鋭く叫んだ。

「大人を呼んできて! 言うことを聞いて! 早く!」

「嫌だ! 僕が行ったら先生が死んじゃう! 先生を守るんだ!」

「翔太!」

 私は喘ぎながら、霞む視界で彼を見据えた。

「あなたはお兄ちゃんでしょう。美羽を守りなさい。ここにいても私の役には立たない、一緒に死ぬだけよ。早く……誰か助けを呼んできて」

 美羽が兄の腕を掴み、泣きじゃくりながら言った。

「お兄ちゃん……私たちじゃ力が足りないよ、動かせないよ。大人を呼ぼう、神居町に行ってレスキュー隊を呼んでくるの!」

「そう……神居町へ行きなさい」

 意識が拡散していく。でも、彼らに希望を与えなければ。ここから走り出すための希望を。

「白狼レスキュー隊を探して。隊長の……九条湊を探すの」

「彼は……私の婚約者よ」

 私は声を震わせないよう努めた。

「彼がやる任務に失敗はないの。彼を探して、私がどこにいるか伝えて。そうすれば、必ず助けに来てくれるから」

 翔太は藁にもすがる思いで頷いた。

「九条湊? 知ってる! 村長のおじいちゃんが言ってた、すごい叔父さんだよね、この前の洪水でいっぱいの人を助けたって!」

「そう、その人よ。急いで。先生、ここで待ってるから」

「先生、待っててね! 絶対待っててよ!」

 二つの小さな影が、転がるようにして瓦礫の隙間から這い出していく。出口の光が一瞬きらめき、彼らの姿は消えた。

 廃墟に再び死ごとき静寂が戻る。

 寒い。

 本当に、寒い。

 死にたくなんてない。まだ二十四歳だ、まだ若いのに。でも、もう救援までは持たない気がする。

 九条湊……。

 心の中でその名前を反芻する。

 彼がいれば、私を死なせたりしない。彼はレスキュー隊の神話なのだから。彼さえ来てくれれば、私は生きられる。

 でも、湊。あなたは来てくれるの?

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その輝きが、私に本来の自分を思い出させた。

私はエプロンを脱ぎ捨て、白衣を纏う。
もう誰かの妻でも、母でもない。一人の科学者として、世界を驚かせるために。

数々の賞を総なめにし、頂点に立った私を見て、元夫は顔面蒼白で崩れ落ちた。
震える声で私の名前を呼び、足元に縋り付く彼。

「行かないでくれ……君がいないと、俺は……」

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