重い病の長男を置いて、私は次男と家を出た
790 閲覧数 · 完結 · 渡り雨
長男が重い病に侵されていると診断された直後、夫は交通事故に遭った。絶望の淵で、綾子は健康な次男・陽太だけを連れ、二人を置いて家を出た。
それから、五年。
病を克服した長男は若き天才として大学を卒業し、夫もまた奇跡的に再起を果たし、ビジネス界の新星として脚光を浴びていた。
そんな彼らのもとに、ある日、一つの風鈴の箱と一冊の日記が届けられる。
日記の最初のページには、幼い子供の筆跡でこう書かれていた。
「ふうりんがごひゃっかいなったら、ようたはたいいんして、パパと、おにいちゃんと、いっしょにいれる!」
そして、最後の一ページ。そこには、綾子の清らかな筆跡が残されていた。
「さようなら。私は、陽太のそばに行ってきます」
それから、五年。
病を克服した長男は若き天才として大学を卒業し、夫もまた奇跡的に再起を果たし、ビジネス界の新星として脚光を浴びていた。
そんな彼らのもとに、ある日、一つの風鈴の箱と一冊の日記が届けられる。
日記の最初のページには、幼い子供の筆跡でこう書かれていた。
「ふうりんがごひゃっかいなったら、ようたはたいいんして、パパと、おにいちゃんと、いっしょにいれる!」
そして、最後の一ページ。そこには、綾子の清らかな筆跡が残されていた。
「さようなら。私は、陽太のそばに行ってきます」






